2015.06.08 かわら版「MERSウイルスについて」

今回のスリーミーかわら版は、ここ数日韓国での感染が確認されている「MERSウイルス」について解説します。

MERSとは、中東呼吸器症候群と呼ばれ、SARSウイルス似たウイルスとされています。では、MERSウイルスにかかるとどのような症状になるのでしょうか。

MERSに感染すると、発熱やせき・息切れなどの症状が現れます。多くの場合、肺炎をおこして呼吸困難に陥るとされています。特に糖尿病や心臓病など慢性的な病気を抱えている人や高齢者が重症化しやすいのです。現在、ワクチンや確立した治療法が見つかっておらず、症状に合わせた治療以外に手段がないのが実情です。また、致死率が50%と言われています。

どのようにしてMERSウイルスが人間に感染するのでしょうか。現在のところ、人がどのようにしてMERSに感染するのかは正確にはわかっていません。ただ、韓国で発症した例によると過去に中東地域(バーレーン)から帰国した男性が帰国時には無症状であったものの、1週間後に感染が確認されたと言われています。感染してから発症するまでの潜伏期間は長くても2週間ともされています。患者から分離されたMERSウイルスと同じウイルスが、中東のヒトコブラクダから分離されていることなどから、ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであるとされています。

MERSウイルスとSARSウイルスとどう違うの?と思います。この2つを比べてみましょう。MERSウイルスは、2012年に中東で発生し、致死率が50%。一方、SARSウイルスは2002年に中国で発生し、致死率は9%。ただし、ワクチンが開発され2004年までにはWHOが収束宣言をしました。どちらも、唾液の飛散などで感染する飛沫感染によって広がるとされていますが、今回のMERSは病例により空気感染も否定ができません。

では、中東地域を旅行し日本で感染した場合私達はどのように対処すればいいのでしょうか? 帰国時に発熱や咳などの症状がある場合、空港内などにある検疫所に相談しましょう。帰国後14日以内、発熱や咳などの症状がみられ最寄りの医療機関を受診する際は、事前に連絡の上中東地域の滞在していたことを告げましょう。症状がある場合は、他者との接触を最小限にするとともに、咳エチケットを実行するようしましょう。

MERSウイルスが流行している今、症状に合わせた治療以外に手段がないためできることは限られます。普段から私達ができることとして、休息や栄養を十分とり、抵抗力をつけること。できるだけ人混みをさけ、マスクの着用をすること。温度の変化と乾燥のしすぎに注意することなどがあります。海外旅行に行く際には注意してお出かけしましょう。

 

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