東京都にある首相官邸屋上に小型無人機ドローンが見つかった事件。このニュースは24日夜に急展開を迎え、25日土曜日に容疑者が逮捕されるという結果となりました。今回のかわら版は、このニュースについてお届けしてまいります。
警視庁によると、ドローンは4月22日午前10時半頃に、首相官邸の職員が発見したことから始まります。機体には、茶色い容器が取り付けられ微量の放射性セシウムが検出され、男は福島の砂を入れたと供述をしています。容器には放射能への警告を示すマークのシールが貼られ、他には小型カメラや発煙筒のようなもの2本も装着されていました。
捜査関係者によると、小浜署に出頭した小浜市在住の男は40歳とみられ24日に出頭し、「原発政策への抗議」と主張していました。
翌日、4月25日に容疑者の男は小浜署から東京麹町署と移されました。また、その後の取り調べに対して「4月9日の午前3時半頃、官邸にドローンを飛ばした」「昨年12月にもドローンを飛ばそうとした」と供述しています。
今後、詳しい取り調べが続けられますが、一方で今回使われたドローンはどういうものだったのでしょうか。今回使用されたドローンは、中国メーカーのDJIが製造したファントム2という製品で最新の機種とされています。ラジコン専門店などで一般に販売されています。
ドローン発見まで約2週間官邸屋上に放置されていたわけですが、官邸の警備の「穴」が明確となった形となりました。また、容疑者はアメリカ大使館を狙っていたという報道もなされています。
この事件を受け菅官房長官は「首相官邸をはじめ重要施設の警備体制を検証し、抜本的な強化策を確立する必要があると」と語り、ドローンに関連する省庁連絡会議を官邸に行い、重要施設の上空飛行制限に向けた法整備の検討に入っています。ドローン購入者に対して名前などの登録を義務付ける法案が上がっています。また、菅官房長官は「運用や法整備について早急に整備する必要性があると」と述べています。今後の検討課題として、①飛行距離が長い高性能ドローンの操縦者に対する免許制度の導入、②機体の整備・点検のルール化、③事故に備えた保険加入の義務付けが今後予想されます。今回の事件を受けてドローンを使用禁止にする法律を出すべきだとの意見も出てきそうですが、警備保障の会社や大手電気通信事業者などドローンを積極的に使う業界もあり一様に使用禁止・規制をかけることは難しいと考えられます。また、今後ドローンを使う市場が国内外で成長が期待されている分野でもあるため、規制と活用のバランスが課題になっていきそうです。
八木正幸のスリーミーなひととき
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