れっきとした歴史 (18回目)~番外編~
「特定小電力無線を知ってもらいたい」
これは、誰も取り上げないマニアックな人物や物に対して、スポットライトを当て、その歴史について、助手いさおが浅く・狭く紹介するコーナーです。
またもや「無線の話か~」と思われるかもしれませんが、ビジネスからレジャー、老若男女、免許もいらず使えるのが、「特定小電力無線」です。
今回は、基礎知識からトランシーバーの選び方まで、難しい用語は一切なしで紹介したいと思います。
これを聴いて、無線を趣味として興味を持たれるだけで、幸いです。
以前の回で、免許のいらない無線として、紹介したのが、
「市民無線」・「デジタル簡易無線」・「特定小電力無線」
の3つでしたが、わたくしが、なぜ「特定小電力無線」を推すのか、理由を述べたいと思います。
まず「市民無線」は、3つの中で一番遠くまで電波が飛びますが、本体が大きく、無線機の持ち運びに不便で、お値段も新品で10万円前後とお高めです。
市民無線が流行った昭和50年代の現物も、オークションやフリマサイトに出品されていて、数千円ほどですが、経年劣化などで修理しないと使い物にならない物も多いそうです。
次に「デジタル簡易無線」ですが、お値段は3万円前後で、子供が遊ぶにしては、少し高めです。
あと、電波利用料を払わなくてはいけないことや、開局に当たり、総務省の出先機関(北陸は、金沢の北陸総合通信局)へ使用許可申請を提出しなくてはならず、これは5年に一度、更新しなくてはならないのが、面倒なところです。もちろん申請手数料も取られます。
そこで、以上のデメリットをすべてクリアするのが「特定小電力無線」です。
本体のお値段は一番安いもので、2台セットで3000円などからあり、お手頃です。
ビジネスで使用するのに遜色ないものも、一万円前後で手に入ります。
また、女性が使用しても違和感がないよう、超小型(マッチ箱くらい)で、色もアクアブルーやピンクの可愛いものも発売しています。
チャンネルは20あり、そのほかに、中継器を介して交信できるチャンネルが27で、合計47チャンネル使えます。
話したい相手とチャンネルを決め、そこで会話をするのが一般的ですが、呼び出しチャンネルが決まっており、そこで不特定多数の人に向けて呼びかけたりすることも可能です。
音声もクリアで、ラジオと同じFMという声を電波に変える形式を用いています。
気になるのが、「どのくらい電波が届くのか?」ですが、郊外の見通しの効いたところでは2~3km、ビルなどの障害物が多い市街地でも100~200mは届きます。
電源は、単三乾電池1~2本用い丸一日は持つものが多く、専用の充電池を使えば、乾電池をゴミとして捨てるのを減らせます。
最後に、無線機の選び方ですが、ビジネスや本格的なレジャー(キャンプ・スキーなど)で使用するのであれば、アンテナが長くしっかりしていて、防水・防塵になっているものがお勧めです。
本格的に使うからと言って、値段の高い上位機種を選ぶ必要はないと思います。一万円程度のものでも十分です。あとはイヤフォンマイクなどオプションが豊富なものが、後々助かります。
おもちゃとしてお子さんが使うのであれば、チャンネルの中継機能もない、2台で3000円の物でかなり遊べます。
まとめ
以上「特定小電力無線」について、紹介しましたが、昨今、無線人口が減少傾向にあり、趣味として無線をやっている私にとっては、寂しい限りです。
スリーミーを聴いてくださっている皆さん、2台3000円の無線機をクリスマスのプレゼントに如何でしょうか?無線の沼に入るとっかかりになればと思います。
以上、れっきとした歴史でした。
天津 弥
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