戦後最大の制度改革とも言われる「マイナンバー制度」。「どうして必要なの?」「個人情報の漏洩が心配…」「カードが届いたら何をすればいいの?」など疑問は尽きないことでしょう。そこで、スリーミーかわら版ではマイナンバー制度を全3回にわたって解説します。時には、新聞やテレビが伝えないマイナンバー制度のメリットも紹介します。
マイナンバーが記載された「通知カード」は2015年10月5日現在の住民情報にもとづき、世帯ごとに郵便局から簡易書留で送られてきます。実際の運用は2016年1月1日から始まります。
通知カードを受け取ったあとに個人がすべきことは、勤務先への届け出です。企業は税や社会保障の手続きでマイナンバーを記載しなくてはならないためです。日雇いを含むアルバイト・パート・派遣社員であってもマイナンバーは勤務先に届け出る必要があります。
記載が必要となる場面は源泉徴収票の記載手続き、健康保険・厚生年金・雇用保険の手続き、証券会社や保険会社が行う配当金や保険金などの支払調書の作成です。
企業は従業員からマイナンバーを取得するに際し、利用目的の明示や厳格な本人確認を行う必要があります。特に本人確認はなりすましを防ぐため、たとえ長年勤めている勤め先でも、従業員は運転免許証やパスポートなどの「身元確認」と通知カードやマイナンバーが記載された住民票などの「番号確認」が求められます。」
そもそもどうしてマイナンバー制度という戦後最大の改革を行うのでしょうか?マイナンバー制度はマイナンバー法(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」)にもとづいています。この法律は2013年5月に第2次安倍政権のもとで成立しました。
それではここでちょっとしたクイズを出します。マイナンバー制度のきっかけとなった出来事を選んでください。
Q:マイナンバー制度のきっかけとなった出来事とは何でしょう?1
①1964年の東京オリンピック ②阪神淡路大震災
③2007年に発覚した「消えた年金問題」 ④東日本大震災
答えは③です。2007年に発覚した「消えた年金問題」がマイナンバー制度のきっかけです。年金情報は名前や生年月日で確認を行っていましたが、情報自体が曖昧で誰の情報なのか確認できないものが多かったため、宙にういた年金情報を照合する作業は難航しました。こうした経緯で国民一人一人の情報を管理する仕組みの必要性が浮き彫りになり、マイナンバー法が成立したのです。
次回は気になる人が最も多い、個人情報の保護について解説します。
<引用>
- 「いよいよ来るぞ マイナンバー」(2015)東洋経済新報社 2015年10月3日号
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