2014.11.10 スリーミーかわら版#5 「円安・円高」について

今回取り上げるテーマは「円安・円高」です。

経済のニュースで「本日の為替市場では1ドル95円の値がつき、円安が加速しました。」という文章をよく聞かれると思います。あるいは「円高の影響で日本の輸出産業は大打撃を受けています。」とも聞いたことがあるでしょう。今回は、わかりにくい経済のニュースが読み解けるように(余計なお世話ですが)円安・円高について解説していきます。

円安・円高を理解するためには、アメリカで1ドルの商品を日本円でいくら出せば買えるのかを考えるとわかりやすくなります。例えば、1ドルが200円だった時代に、価格が1万ドルのアメリカ製の自動車は日本円で200万円になります。1ドルが100円になると、1万ドルのアメリカ車は日本円で100万円に値下がりします。このように、これまでより少ない円で買えるのですから、それだけ円の価値が上がったことになります。これが「円高」です。一方でこれをアメリカから見ますと、1ドルが200円のときは100万円の日本製の自動車は5000ドル。1ドルが100円になると1万ドル出さなければ、同じ日本製の自動車を買えなくなります。それだけドルの値打ちが下がったのです。つまり、円高は「ドル安」でもあります。同様に、円安は「ドル高」でもあります。

円やドルは市場(しじょう)で売買されます。その結果、円相場は毎日のように変動します。これは「需要と供給」の関係からです。需要とは「財・サービスを購入しようとすること」であり、供給とは「財・サービスを販売しようとすること」を言います。円の人気が高くなる、つまり需要が増えれば円高になり、ドルの人気が高くなれば、ドル高つまり「円安」になります。また、投資家の思惑によっても変化します。「これからドル金が値上がりするだろう」を多くの投資家が考えれば、「値上がりする前にドルを買っておこう」と行動を起こすため、ドルの需要が高まり、実際にドルの値段が上がります。

話は変わって、先週6日木曜日には1ドルが一時115円を突破するなど、アベノミクスによって急激な円安になりました。円安は日本から輸出する製品の価格が下がり、これまでより売れるようになって、日本経済の景気回復につながるという主張があります。その一方で、円安により、原油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格が上昇することで、原材料のコストが上がることで物価が上昇する「コストプッシュインフレ」が起こっています。

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八木正幸のスリーミーなひととき

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